世界の困っている場所に行く
暑い夏、小学生のみんなは、どこであそんでいる?
地球温暖化によって、私たちのくらしが変わってきています。
たとえば、2022年6月は関東で40℃を超える気温の日があり、連日の猛暑日が続きました。
これまでに一番高かった気温は、2020年の静岡県浜松市で記録された41.1℃と、2018年に埼玉県熊谷市で記録された41.1℃。最も高い気温のほとんどがここ5年で記録されています。
小学生のみんなは、「猛暑日」「真夏日」という言葉を知っているかな?「猛暑日」は、気温が35℃以上の日のこと、「真夏日」は、気温が30℃以上の日のことだよ。2022年の夏は毎日暑かったよね。
最高気温歴代ランキング(全国)
順位 | 都道府県 | 地点 | 観測値 | |
---|---|---|---|---|
℃ | 起日 | |||
1 | 静岡県 | 浜松* | 41.1 | 2020年8月17日 |
埼玉県 | 熊谷* | 41.1 | 2018年7月23日 | |
3 | 岐阜県 | 美濃 | 41.0 | 2018年8月8日 |
岐阜県 | 金山 | 41.1 | 2018年8月6日 | |
高知県 | 江川崎 | 41.1 | 2013年8月12日 | |
6 | 静岡県 | 天竜 | 40.9 | 2020年8月16日 |
岐阜県 | 多治見 | 41.1 | 2007年8月16日 | |
8 | 新潟県 | 中条 | 40.8 | 2018年8月23日 |
東京都 | 青梅 | 40.8 | 2018年7月23日 | |
山形県 | 山形* | 40.8 | 1933年7月25日 |
参考:気象庁HP(*印の地点は気象台等)
このままだと…夏は命が危険な季節に!
このまま私たちが温暖化に対して何もしないままだと、猛暑日は、2100年には2020年の約4倍に増え、年間で47日になると予想されています*1。真夏日については、東京では年間100日、大阪では140日を超えます。
こうなると、熱中症になる危険性は、東京23区で今の13.5倍に高まり、ひと夏に24万人が救急車で病院に運ばれ、病院は大混乱になってしまいます。実際、2020年に熱中症で救急車によって運ばれた人はすでに6万4千人もいました。
熱中症とは、気温の高い場所にいて、体内の水分や塩分のバランスがくずれたり、体温調節がうまくいかなくなったりして、体温が上がり、けいれんや頭痛などさまざまな症状を起こす病気のことだよ。
もちろん、そうなったら校庭や外で遊ぶことも控えないといけなくなるでしょう。屋外で過ごしたり、仕事をしたりできる時間は3割から4割も減ってしまいます。
すでに東京の保育園では、約3割*2が子どもが熱中症にならないよう外遊びやプール遊びを控える動きが広がっています。
楽しい夏をすごすためにも、温暖化対策はとても大事ですね。
- *1 環境省・気象庁
- *2 朝日新聞調べ
もっとしりたいキミへ!
どうして夏がこんなに暑くなったの?
日本の夏が高温になる理由のひとつとして、これまでと違う「偏西風の蛇行(曲がりくねって進むこと)」があると言われています*3。
偏西風は、地球の上空で一年じゅう西から東に吹く風。中緯度地帯(北極・南極や赤道付近以外の地域)のあたりで吹いているよ。
北極が温まると偏西風の蛇行が大きくなることがわかっています*4。偏西風が日本の近くで北の方向に強く曲がったことで、太平洋高気圧がとても強くなったのです。
フィリピン近くの海の水温が高かったことも影響しました。この偏西風の蛇行は、イギリスやスペインなどヨーロッパでも40℃を超える高温になった原因にもなっています。
- *3 気象庁異常気象分析検討会
- *4 2018年Nature誌